正しいことをいうときは・・・

六地蔵&六地蔵の女房

2011年07月20日 21:17

受難者たち 「新選吉野弘詩集」(思潮社)より


二人が睦まじくいるためには  愚かでいるほうがいい


立派すぎないほうがいい    立派すぎることは


長持ちしないことだと気付いているほうがいい




完璧をめざさないほうがいい  完璧なんて不自然なことだと


うそぶいているほうがいい   二人のうちどちらかが


ふざけているほうがいい    ずっこけているほうがいい


互いに非難することがあっても 非難できる資格が自分にあったかどうか


あとで 疑わしくなるほうがいい


正しいことをいうときは 少しひかえめにするほうがいい 


正しいことをいうときは 相手を傷つけやすいものだと 


気付いているほうがいい


立派でありたいとか 正しくありたいとかいう 無理な緊張には


色目を使わず ゆったり ゆたかに 光を浴びているほうがいい


健康で風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに


ふと 胸が熱くなる   そんな日があってもいい


そして なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても


二人にはわかるので あってほしい



            「六地蔵」は、こう思うのですが・・・・果たしてどうかな?


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