絵本「ヤクーバとライオン」その②

六地蔵&六地蔵の女房

2013年02月18日 07:07

ヤクーバーとライオンの目が合って、ライオンの目は語りかけてくる。

「見てのとおり、わしは傷ついている。夜どおし手強い相手と闘って力も

つきはてた。おまえはわしをとるのは、たやすいことだろう」

      

「おまえには二つの道がある。

わしを殺せば立派な男になったと言われるだろう。

それは、ほんとうの名誉なのか。もう一つの道は、殺さないことだ。そうすれば

おまえはほんとうに気高い心を持った人間になれる。だが、その時は、仲間はず

れにされるだろう。どたらの道を選ぶか、それはおまえが考えることだ。

夜があけるまでには時間がある。」・・・・・・

      

仲間の少年たちはみんな、名誉ある戦士になった。しかし、ヤクーバに与えら

た仕事は、村のはずれで牛の世話をすることだ。

たぶん、そのことがあったからだろう。村の牛たちは二度とライオンに襲われる

ことはなかった。・・・・・・・・

この絵本のメッセージを日本の大人たちにも子どもたちにも伝えたいと思った。

   ・・・・・・2008年春 柳田邦男のあとがきより抜粋・・・・・・・


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